2015年8月1日土曜日

Wolfenstein:The New Order レビュー:B.J.ブラスコビッチは悪夢を見る


結構前にセール記事を書いただけでレビューしていなかったWolfensteinのレビューをば




PS2後期から家庭用ゲーム機とインターネットの接続が徐々に増えてきた
そしてPS3、XBOX360世代においては家庭用ゲーム機にインターネットを接続するのは
最早前提条件となり、オンラインを介したマルチプレイや
オンラインプレイオンリーのゲームの登場もしてきた

更にはAAAクラスのゲームにはオンライン機能を
無理矢理にでも搭載される事なども含めて
近年のゲームとオンラインプレイは切り離せなくなっている

しかしそんな時代にでもオンラインプレイ、マルチプレイを搭載せず
しっかりと作りこまれたシングルプレイのゲームを届ける所も存在する

今回紹介するWolfenstein:The New Orderも
シングルプレイのみのFPSタイトルだ

結論からいうと、Wolfensteinは最高のシングルプレイを届けてくれた


Wolfensteinはケツをひっぱこうとするフランケンシュタインと戦うFPSだ(大嘘

時は1946年、第二次世界大戦、アメリカとナチスドイツが戦争をしていた
プレイヤーであるB.J.ブラスコビッチはアメリカ兵の一人となり
仲間と共に敵の拠点へ攻め入り
ナチスを指揮しているデスヘッドと呼ばれる指揮官を討つミッションを遂行する

ブラスコビッチはデスヘッドの拷問部屋にたどり着く
そこでは惨劇が繰り広げられていた


ナチスの人体実験…モザイクなどの修正もないのでドぎつい場面である


デスヘッドの元に辿り着くも一緒に同行していた部隊メンバーも含めて
敵であるデスヘッドに捕まってしまう
仲間が人体実験の材料にされ、ブラスコビッチも苦しい決断を迫られる


プレイヤー自らが決断し、選択をする場面。選択をしないという決断は、最悪の結果を招く事になる


何人もの仲間の命が失われていくが、仲間達の助けにより
ブラスコビッチは敵の拠点から逃げ出す事に成功する
しかし、脱出に成功したブラスコビッチは、脱出時に衝撃を受けてしまい
植物人間となってしまう

ブラスコビッチは幸い命には問題なく、病院で入院し、介護生活の日々を送っている
しかし彼は意識ははっきりしており、日を追う毎に意識を取り戻していく事を感じる

そしてデスヘッドの基地から脱出した14年後の1960年
病院にナチス・ドイツの連中が押し入り、医者や看護師を次々に惨殺していく
ナチス・ドイツの手がブラスコビッチの魔の手に迫った時
完全に意識を取り戻したブラスコビッチはナチス・ドイツに反撃し、撃退する

そして生き残った医者と看護師から話を聞くと衝撃の事実が明かされる

第二次世界大戦でアメリカは全面降伏し、ナチス・ドイツが勝利
世界はナチス・ドイツが支配していたのだ
B.J.ブラスコビッチはそんな悪夢のような惨劇の終わらない世界で目を覚まし
ナチス・ドイツ撃破という一筋の希望を信じ、たった一人で戦う事を決意する

というのがあらすじである
もう最初からクライマックスと言わないばかりの怒涛の展開

シナリオも悪夢と言わんばかりの展開を見せていく
といってもSpec Ops:The Line程ではないが。

前述した通りゲームの冒頭とそれ移行では年代が違う
なので銃のデザインが一新されるのもまた面白い
序盤の1946年の銃が恋しい人は前日談に当たるOld Bloodを遊ぼう

このゲームでまず出てくる感想は「銃撃戦が楽しい」に尽きるだろう
最高のFPSとはなんだろうか?
シナリオ?マルチプレイ?演出?
いいや、爽快感だろう
FPSはアクションゲームの一種であり
撃っていて気持ちが良い、楽しい出来でないとダメなのだが
Wolfensteinはその銃撃戦が最高に楽しいのだ
撃っていて楽しい、FPSの答えにたどり着いている
そしてそれを更に楽しくする仕掛けも多々用意されている



アキンボだ!ヒャッハー!撃ちまくれ!

全ての武器で両手持ちが可能となっておりそれだけでもう楽しい
アサルトライフルからピストル、更にはスナイパーライフルまでも!
お気に入りはオートショットガンの両手持ちです、最強の火力だ
敵も人間から上の画像のロボットなど多種多様に存在し、ぶっ飛んでいる


更には超巨大なボス戦闘まで存在するぞ


そしてゲーム業界を支配しているRPG要素(成長要素)も存在している
特定の行動を何度も行うとPerkを獲得し、永続的なアップグレードボーナスが獲得出来る
リロード速度が上がったり、マガジン数が増加したりなど…


Perkを獲得する事で戦闘能力増加に繋がり、更に戦闘が楽しくなる

Perkシステムの肝はアンロックではなく、アップグレードな点だ
ゲームを勧めるだけで全ての要素は開放されるのが安心で
Perkシステムで変化するのは所謂ステータスの増加だけだ
面倒な場合はPerkを取らなくても問題ないし、取れば楽になる
というバランスがまた嬉しい

またこのゲームでも流行とも言えるFPSでのステルス要素が導入されている
マップには司令官が存在し、司令官が存在している間に
こちらの存在がバレると警報を鳴らされてしまい
延々と敵の増援が送り込まれてしまう
だが司令官を静かに始末すれば戦闘も回避し、警報を鳴らされる心配もない

司令官を始末すれば増援は呼ばれないので、Plan Bに移行するのも良いし
そもそも増援なんて知るか!速攻で始末するぜ!ヒャッハー
と言いながらLoudスタイルで司令官を直接始末する事も可能な自由度も嬉しい

ゲームを遊んでいると強制Loudシークエンス、任意ステルスシークエンスと
テンポよく挿入されるので飽きる事がなく遊んでいける点も地味に素晴らしい

しかしAIは控えめに言ってもそれほど優れているとはいえないので
ステルス自体が面白いかと言えば…

あくまで懐の高い任意ステルスシークエンスが魅力というべきか。

(電話が鳴る音)
デスヘッド「はい、もしもし」
ブラスコビッチ「私、ブラスコビッチ 今三丁目の交差点に居るの」
(電話が鳴る音)
デスヘッド「はい、もしもし」
ブラスコビッチ「私、ブラスコビッチ 今あなたの家の近所に居るの」
(電話が鳴る音)
デスヘッド「はい、もしもし」
ブラスコビッチ「私ブラスコビッチ 


全体的に飽きる事なく楽しめるWolfensteinだが
武器のバランスは少し悪い
大型系の敵(特に人造人間やロボットなど)を相手にした時に火力不足を感じるのだが
そういう敵にはレーザー武器がよく効く
中盤まではレーザー武器の使用も限られるので苦戦するのだが
ある程度遊ぶとスナイパーライフルのセカンダリで
レーザーライフルが登場するのだがそのライフルが非情(誤字ではない)にぶっ壊れ性能
人型は勿論大型の敵にも効果抜群
更には連射も出来火力も高い
おまけに補給所でこまめに無限補給可能となり
鉛球を発射する銃がオートショットガンとスナイパーライフルを除き
鉄くず同然になってしまうのだ

ラスボス戦でもオートショットガンとレーザーライフルさえあれば事足りる

それほどにも非情で強力な武器だ
ある意味救済武器なのだろうが、無限補給ができるので
どうしても頼ってしまったのだ

しかしそれ以外は比較的バランスがとれているのではないだろうか

総評としてはFPSのあるべき姿に辿り着いた爽快プレイが出来
痛快なゲームプレイながらもシナリオも陰鬱
そのギャップがたまらない

面白いシングルプレイのシューターを遊びたいなら
Wolfenstein:The New Orderの惨劇の悪夢を見るのが最適だ






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