2016年9月21日水曜日

Heart&Slash(ハートアンドスラッシュ)レビュー:スラッシュアクションに魅了される。



「Heart and Slash」は8月にアーリーアクセスを終了し、正式リリースされ、PS4プラットフォームでもリリース予定の3Dアクションゲームだ。
3Dアクションゲームと一口に言っても、様々な方向性のアクションゲームがある。
その中でも近接戦闘に重きを置いたスラッシュアクション、
本来の意味でのハックアンドスラッシュと呼べるジャンルに当たるのが本作だ。

 「Heart and Slash」を構成するのは3つのメカニックだ。
  • ローグライク
  • スラッシュアクション
  • カスタマイズギア
今回はこの3つに絞って掘り下げていく


  • ローグライク
前述の通り、このゲームはスラッシュアクションである。
このゲームはプロージャル生成されるダンジョンを進み、数個のダンジョンを突破し、最終ボスを撃破するのが目的である。
プレイキャラはロボットなのだが、ゲーム開始時には丸裸の骨組みのような状態で、攻撃が一切出来ない。



最初は丸裸

その為、彼は頭・胴体・両腕・両足にそれぞれギアを装備し、戦闘に赴く。
全身にパーツを装備するとパーツ毎にある様々な能力が使用可能になり、
更には見た目も代わり視覚的な変化もあり、これも嬉しい。


完全にアウト

しかしヘルスが0になり、死んでしまうとそれまでに獲得したギアを全て失ってしまう。
全ては振り出しに戻り、初めからやり直す事となる。所謂「パーマデス」 だ。

かといって、全て0になってしまうわけではない。
このゲームには大量どころか、無量大数とも言えるアンロック要素が存在し、
特定の条件を満たすと、様々なギアをアンロック出来る。
ギアをアンロックすると、ゲーム中にドロップするようになる。
「Risk of Rain」のアンロックシステムを想像してもらうと容易いだろうか。

プレイ中盤くらいまでは死ぬ毎に大量のギアがアンロックされていくので、
死んでしまってもアンロックと知識・経験の蓄積により、確実に前のプレイよりも前進する事が出来る。
アンロックとプレイヤースキルの向上の相乗効果により、上手くなっていくのが目に見えてわかるようになっているのだ。


一十百千万億兆…無量大数…!

それと、インディーズゲームによく有りがちな物として、
メトロイドヴァニアを謳っているのに、ただの探索要素があるゲームなどが多い。
今作も「ローグライク」を謳っているのだが、「ローグライク」ではない。
「ローグライク」と聞いて不思議のダンジョンシリーズを想像する方が多いだろうが、
このゲームはあの手のゲームとは違い、「ローグライク」というよりも「プロージャル」な側面が強い。
「ローグライク」ライクなだけであって、「ローグライク」ではない。頭痛が痛い
ランダム要素がある程度なのだ。 精々プレイ毎に刺激を与える程度である。

ダンジョンも「プロージャル」ではあるが、精々部屋の組み合わせが違うだけで、
似たような構成になりがちだ。まず1000回は遊べないだろう。

だが、それを差し引いてでも遊ぶ価値がある。理由は次の項目だ。

  • スラッシュアクション
さて、冒頭でも言及したが、このゲームはスラッシュアクションだ。
腕に装備するギアの殆どがスラッシュアクション用のソードになっている。
何と言ってもそのソードで切る、という基本動作自体が気持ちよく、
尚且つ軽快に動作するのですごく楽しい。
弱攻撃に強攻撃に切り上げ攻撃に、打ち下ろし攻撃と基本的なアクションも揃っている。


 SMASH!!

また、そのスラッシュアクションの楽しさを推し進めるかの如く、基本動作が快適だ。
まず移動速度が他のアクションゲームに比べかなり高速で、敵に接近するのも高速で、
デフォルトでダブルジャンプも使え、更には回避行動のモーションも早い。
敵の攻撃はダブルジャンプや回避し、高速移動で敵に一気に接近し、弱攻撃や強攻撃で一気に畳み掛ける!
などといったプレイが可能だ。

武器の多様性もプレイバリューを広げる。
スタンダードなソードから、ダッシュ往復切りが出来るライトセイバーや、デュアルソードに薙刀にチェーンソーにナックル武器…
それこそ無量大数の如くのバリエーションで、更には武器は常時3つ所持出来る。
武器の切り替えもワンボタンで出来るので、使いやすいソードで敵をノックダウンさせて、
切り上げ攻撃で敵を空中に浮かして、高威力の武器で打ち下ろし攻撃、
落下時間を回避で短縮させて、そこから更に追撃!なども可能となっている。

プレイ感覚としてはDMCやBEYONETTAのコンバットに、
ロックマンゼロのゲームプレイが合わさった感じを彷彿とさせる。

近接武器だけでなく、遠距離武器もそこそこ存在し、リロードが必要な銃やブーメランなども存在する。
また防御やバッシュも出来るシールドも存在するので、ギアのバリエーションは本当に豊富だ。

空中の敵を攻撃するのに便利
アクションゲームで最も重要なレスポンスの早さ、アクションの快適さ、爽快感が全てクリア出来ている。
BEYONETTAなどにインスパイアを受けていると聞いて成程と思わせられるアクションだ。
その楽しさを増長させるのが高い難易度だ。
このゲームは難易度が高く、難易度設定なども存在しない。
雑魚敵自体にやられて死ぬ事が殆どだろう。
ランダムで出現するギアの引き、己の腕でかなり難易度が変わってくるが、
敵の強さという物は変わらず、根本の部分では難易度が変わらない。
結局の所アクションゲームであり、全ては自分のプレイヤースキルにかかっている。
遊べば遊ぶ程、敵を理解し、知識の蓄積と腕の向上で先にすすめるのが本当に楽しい。

高い難易度を突破していくゲームプレイ自体が爽快なのだ。

  • カスタマイズギア
このゲームは全身に4つのギアを付け替えて進んでいく。
そのギアはゲーム中にランダムにドロップしている。
ギアによって能力は千差万別だし、更にはギア毎に設定されたアップグレードも存在する。
アップグレードを獲得すると短所を補ったり、長所を伸ばす事も可能だ。


Run速度を上げると、ただでさえ速いのに更に移動速度がアップする

また、アップグレードを行うとメニューに書いてあるハートの分だけヘルスが増加する。
直接的な強化でないにしろ、生存力に繋がるので確実に強くなっていくのも嬉しい。
アップグレードに使う強化ポイントは、雑魚敵を倒すとドロップするスクラップから得る事が出来る。
スクラップを一定ポイント集めると、キューブに変化し強化に使う事が出来る
いつでもどこでも強化出来るので、ヘルスの回復にも使える。
どのタイミングで強化するかも重要だろう。

探索をしていると新しいギアが見つかって、交換する事もある。
その場合は余ったギアをヘルスに変換する事が出来る。
いらないギアも無駄にならないのだ。
その変換されるヘルスは、ギアの強化度合いによって増加する。
ピンチの時は「あえて」ギアをスクラップにするという戦略も生まれる。
シンプルながら深いシステムだろう。


ゲームプレイも楽しいが、その楽しさを増長させるのがサウンドトラックだ。
公式トレーラーなどを見ればわかると思うが、BGMがとても良い。
メインメニューから探索、コンバット、ボス戦など…収録されているBGMの数は少ないが、
逆に収録されているBGM全てが良曲となっている。
このサウンドトラックは間違いなく買いだ。

楽しいコンバットにゴキゲンなサウンドトラックをあわせて、この価格とボリュームを考えると、
総合的にはこのゲームは「買い」だろう。

しかし探索度合いにもよるが、最終ボスとの対決までには1時間近くプレイする事になるのだが、
終盤まで遊んで死亡などはやはり萎えてしまう所はある。
また、Bug Fix出来ていないのか、地形にスタックして動けなくなり、
終盤ステージで泣く泣くゲーム終了せざるを得ない状況になったりもした。
更には中断機能もないので、クリアまで一気にクリアしないといけないのも何点か。
アーケードライクといえばそこまでだろうが、アーケードだからこそ不具合で進めなかったりなのは残念だ。
Bug Fix含めた定期的なアップデートもあるので、多少はマシだろうか。

その辺りの問題点を差し引いても、楽しいスラッシュアクションなので、
一度手にとって見ると良いだろう。

高難易度な高速スラッシュアクションで乱戦をノーダメージで突破する快感は癖になるだろう。

この内容でこの価格ならマスト「ダイ」 だ。

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