毎年恒例(6ヶ月程の遅刻)のGOTY記事です。
2022年は49本のゲームをクリアしたが、例年程の素晴らしい作品には出会えなかったように思える。
極力スリム化してお届けします。
・バカゲー部門:Aperture Desk Job
Steam Deckリリースに合わせてのチュートリアルソフト。
なのだが、ゲームパッドさえあればSteam Deckがあれば問題なく楽しめる。
Portalシリーズの一つであり、Aperture社の崩壊の原因を描く。
ゲームパート、というにはゲームらしさはなく特定の指示をこなすと話が進むインタラクティブメディアのよう。
ただそれを有り余って補うほどの脚本と演出力が光る。
30分程で終わる割に遊んでいる間はひたすら腹を抱えて笑うゲームプレイは素晴らしく、
Portalシリーズを遊んだことがあるなら絶対に遊んでほしい一本。
さながら、VIPRPGのksgをValveが作ったような内容で非常にエキセントリックな内容だった。
・パズル部門:Save Room - Organization Puzzle
スクリーンショット1枚を見るだけで言葉なしで完結する。
そう、あのバイオ4のアタッシェケースを使ったインベントリ整理だけにフォーカスしたパズルゲームだ。
基本的には全ての持ち物をアタッシェケースに納めるとクリアというシンプルなルール。
アタッシェケースといえないだろうと言わんばかりのキテレツな形状のケースが続々と登場する。
更には弾を銃にリロードして空箱を捨てたり、卵を食べたり食べなかったりなど、
様々な搦め手を使いつつ全ての持ち物をアタッシェケースに収納する。
バイオ4を遊んだ方ならわかると思うが、もうあの整理整頓そのものが面白いのでこのパズルも面白いに決まっている。
バイオ4のアタッシェケースの整理整頓だけにフォーカスした発想に拍手を送らざるを得ない。
ちなみにロックマンエグゼのナビカスタマイザーが好きな方にもおすすめです。
・シューティング部門:DRAINUS
この記事を書いている時点では既に一周年を向かえた横スクロールSTG。
とにかくSTGが苦手な人や下手な人でもクリア出来るように徹底した配慮がなされている点が素晴らしい。
最初にある難易度選択から始まり、残機はガンガンたまり、自機の性能が非常に高い。
特徴的なのがゲージ展開式のバリアシステムなのだが、敵の弾をバリアで防ぐとボムのゲージがたまる。
通常のSTGならノーボムボーナスなどが設定されているが、本作はボムを使えば使う程加点される。
つまりガンガン使えば楽になるしスコアも稼げるという、STGにありがちな節約と温存のプレイを強いない点が良い。
他にも特徴的なシステムがあり、グラディウス式に似たパワーアップ方式なのだが、
グラディウスはほしいアップグレードが来るまでパワーアップは温存して戦う必要があり、最速でレーザーがほしければ初期状態で戦う必要があるが、
本作はアップグレードの順番を自由にセットして、好きな順番で獲得出来る。
レーザーがほしい人は最初のアップグレードにレーザーを、防御面がほしい人はバリアを最初に取得出来る自由度が嬉しい。
アップグレードもプライマリショットでも5way弾やレーザーなど複数の種類があり、
ボムだけでも基本的なボムや極太ビームや変わった物など、好きなものが選べる楽しみもある。
そしてストーリー面も優秀で、ラスボスを倒すとSTGお約束である2周目に入るのだが、
2周目への入り方はとても素晴らしく、2周目の存在自体にしっかりメインストーリーが用意されている。
1周目と2周目でストーリー展開が違ったりなども嬉しい。
このゲームはやり込むSTGと違って、難易度が低く映画を見る感覚でメインストーリーを楽しむ演出メインのSTGと割り切って作られている点が素晴らしい。
高難易度化しがちなSTG界の中に、本当に初めてSTGを遊ぶ人への配慮が整った心意気が非常に嬉しい一作だった。
バランス部門:Earth Force Defenders 5
EDFは2と4をプレイし、EDF5自体は以前に本編をクリアしていたが、
2と4と5全て本編をクリアしていただけなので、クリア後の高難易度モードは少し触っていただけだったが、
高難易度特有の詰将棋的な戦略ゲームを味わいたいのと、EDF6に備えて5のインフェルノモードを攻略しようと思い立ち挑戦。
兵科はフェンサーの一種類だけだが、100時間かけてハード、ハーデスト、インフェルノをクリアした。
ハーデストまでは雑にプレイしてもクリア出来るのだが、インフェルノでは一手失敗するだけで簡単に死んでしまうバランス。
敵一体一体が驚異的で無駄な敵の種類は存在しない、初見では為す術もなく瞬殺されてしまう。
しかし出現する敵に合わせて装備を取捨選択、味方の兵科や装備を見て変更する自分の立ち回りと戦術を立てる。
そうするとあんなにボコボコにされたステージもすっとクリア出来る。
初見では絶望的なステージも戦術で突破出来るバランス感覚が秀逸だった。
またマルチプレイでのワチャワチャ感も楽しく飽きずにインフェルノの最後までクリア出来た。
EDF6を遊ぶ時が楽しみになる一作だった。
ハードコア部門:Doom Eternal:The Ancient of Gods Part Two
Doom Eternal自体は以前にも過去の記事で取り上げたが、
当時は本編しか遊んでおらず、DLC1とDLC2は未プレイだった。
今回始めて遊んでみたのだが大変満足した。
本編にはアンチドゥームスレイヤーとも言えるマローダーなる敵が存在する。
常に攻撃を防ぎ、背面をとっても攻撃を回避して当たらない。
超速の近接範囲攻撃に超速で動いてこちらを襲う犬の敵を召喚などやりたい放題。
レビューなどでは「素晴らしいゲームだが、マローダーを削除しろ」などと言われたり少し炎上したりした。
実際にはマローダーとのバトルはとても白熱するもので非常に面白いのだが、あまりにも強すぎるのでそう言う人が居るのも納得できる。
しかし開発陣はそんな意見を受け入れるどころか、DLCではそのマローダーを2体動時に出現させるという暴挙に出た。
DLCのバトル全体を通してみても間違いなく最も白熱した瞬間であるのは確かだった。
落ちている回復アイテムやリソースは殆どなく、数少ないアイテム達は拾った瞬間にすぐにマローダーにボコられて被弾し意味をなさない。
ゲームなのに戦っている最中は生きた心地がしなかった。
ゲームを遊ぶ上で操作するキャラクターが居るという関係上、どうしても俯瞰的な視点で見てしまいがちだが、
FPSという一人称で没入感があるのに加えて、元々死闘感があるゲームプレイにバランスなのに、
そこにマローダー2体とかいう暴挙を突っ込まれると、プレイ中顔面が歪んでしまうに決まっている。
DLC自体高難易度でラスボス達も強く印象的だったが、
マローダー2体はDoom Eternalのプレイの中で一番忘れられない瞬間がDLC2のマローダー2体との死闘だろう。
今の時代のシューターはマルチプレイが主軸となっており、作り込まれたキャンペーンシューターが稀有になっている。
そんな中で記憶の中に強く残る死闘が存在した本作は偉大だった。
完成度たかたか部門:Marvel's Spider-Man: Miles Morales
完成度たかたかっていうともうそれGOTYじゃないのと言いたくなるが禁句です。
まず本作はPS4でリリースされたスパイダーマンのゲームの続編。
色々あってピーター・パーカーとは別の新しいスパイダーマンの活躍を描く。
前作のスパイダーマンはゲーム開始時点で、既にスパイダーマンになってかなりの時間が立っていて感情移入が難しいが、
本作は初めてスパイダーマンとして戦う所から描かれているので物語に入りやすい。
そして前作はスパイダーマンが打たれ弱く、また攻め手も少ないので戦闘面がやや辛い印象だった。
しかし、本作ではヴェノムパワーと呼ばれる電気のような力を使ってパンチや衝撃波を使って大ダメージ&スタン付与が使えるようになっている。
前作のスパイダーマンの能力に追加でヴェノムパワーがいつでも発動できるので戦闘面で圧倒的に優位に立ち回れるようなっている。
ストーリー面もゲームプレイも含めて入りやすい作品になっている。
PC版で遊んだのだが、PS5のゲームの移植なのもあって映像はとても綺麗で最適化も十分出来ている。
操作性もよく動かしていて楽しいゲームプレイ。
日本人としては日本語吹き替えも用意されているのがとっつきやすさのポイント。
ゲームとしてとても尖っているわけでもないが、万人が遊べて楽しめるのが評価ポイント。
面白いゲームを探しているならこれ、間違いなく後悔しない一作。
Game of the Year:STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN
FFで知られるスクエニと、ニンジャガイデンや仁王を作ったチームニンジャとの合作。
この作品を一言で表現するのなら、オンラインCo-opが出来るFFとSekiroの融合だろう。
戦闘は弱攻撃と強攻撃の組み合わせで出る技が出る方式のシンプルな戦闘。
そして強攻撃は全て攻撃技に当たるアビリティとなり、使用するにはMPリソースを消費する。
勿論MPというリソースを消費するので、通常攻撃の何倍ものダメージを与えられる。
またSekiro宜しく敵に体幹ゲージに相当するブレイクゲージが存在し、それを削りきれば敵の現在HPには関係なく即インスタントキルが可能だ。
そしてここからが重要で、MPは敵を攻撃するか防御する事で回復出来るのだが、
このゲームの防御はソウルシールドといい、所謂Sekiroの弾き(ジャストガード)に相当すると考えてもいい。
攻撃でMP消費→ソウルシールドでジャスガしMP補充→攻撃でMP消費
というサイクルが出来上がる。
このサイクルはSekiroよりも美しいゲームデザインになっている。
FFなのに弾きやらされるの?難しくない?と思われるだろうがそんなことはなく、
本作のソウルシールドはゲージ展開式になっている。
アクションが苦手な人は事前に長押しし、ソウルシールドを貼り続け、
アクションが得意な人はヒットの直前にソウルシールドを貼ることでゲージの消費量を最低限にし、実質的なジャストガードとして遊ぶことが出来る。
そしてソウルシールドで攻撃を防いだ後に弱攻撃を入力すると、自動的に敵をホーミングして殴ってくれ、そこから連撃へ繋ぐ事が可能だ。
敵の連撃を連続ソウルシールドで防ぎ、MPを補充、弱攻撃を入力してホーミングして、そこから反撃に繋ぐ事が出来るのが気持ちいい。
ソウルシールドで防いだ時のSEも非常に良く心地よくてくせになる。
FF宜しくジョブの数も30以上存在し、同時に2つのジョブをセットしリアルタイムで切り替えが可能だ。
ジョブ同士のシナジーや、操作が異なる豊富な武器種などカスタマイズ性も高い。
アビリティの硬直時にジョブチェンジをすると、硬直を無視してジョブを切り替えるキャンセル技も存在する。
アビリティ→ジョブチェンジ→アビリティ→ジョブチェンジで息もつかせぬ攻撃を繰り出せるので高速戦闘も可能だ。
そして本作の面白さの要因の一つ、ボス戦。
Sekiroでは面白いボスは数えるほどしか居なかったが、
本作では全てのボスが面白く仕上がっている。
9割近くのボスが第2形態が用意されており、前半と後半で全く別モーション(別ボス化)したりと凝りようが凄い。
全てのボスが理不尽要素を抜いて作られており、形態変化がある場合は必ず敵のHPゲージに表記されているし、攻撃時に必ず予備動作をする。
FFなので敵が技を繰り出す際には頭上にアビリティ表示が出るので更にわかりやすい。
そしてソウルシールド一つで全ての攻撃を完封出来るのも優秀。
敵の攻撃をソウルシールドで弾いた瞬間にもう一度ソウルシールドを再入力、これを繰り返すだけでノーダメージでの戦闘が容易になる。
最大MP2を消費して無敵になりつつ体幹ゲージを無限にするソウルブリンガーが使えるなど、システムレベルでプレイヤー側が強力。
敵は丁寧に作られて、プレイヤーは強力と理想的な作りだ。
そして本作はDiablo宜しくハクスラゲームの系譜で、装備に付与されたOPがランダムだったり、セット装備的な概念が存在する。
特にセット装備が強力で、組み合わせ次第では無敵になることすら出来る。
詳しい内容は割愛するが、組み合わせの自由度が高く強力でゲームを破壊するものも多い。
一周目はきちんとしたアクションゲームで、クリア後からはハクスラRPGへと変化する。
クリア後は複数の難易度があるのだが、難易度ごとに全てのボスがモーション追加や別モーション化し楽しめる。
最終難易度に関しては完全に別ボスじゃねーか!と言わんばかりのモーション変化や、
これあのキャラだよなぁと言ったオマージュも大量に打ち込まれており、丁寧なボスを作っているのがわかる。
ストーリーに関してはFF1をオマージュしており、ある程度知っていると成程とはなるが、
人によって感じ方が違うので今回は触れないでおく。
またDLCを導入することでストーリーのその後が描かれるのと、本編では未達に終わった因縁の決着も描かれる。
本編の時点で示唆はしていたのだが、DLCのストーリーではFFファンが驚く仕掛けとなっている。
特定のナンバリングではなく、FFフランチャイズが好きな人は必見だろう。
DLC導入でのゲーム的な拡張も大きく、全99万階まで連なるランダムダンジョンや、装備の合成や装備のコピー、
そして敵をスローにしてこっちが連続コンボを叩き込める新システムなども導入される。
本作を遊ぶならDLCもセットで導入しよう。
DLCまで含めるのならばストーリーは一見の価値があると思うし、(特定ナンバリングではなく)FFファンは必見だろう。
ゲームシステムは完成度が高く、プレイヤーのアクションの腕次第では一切理不尽要素もなく全ての状況を覆せる。
敵の完成度も非常に高く、ソウルシールドで敵の攻撃を完封して反撃と戦っていて楽しいボスが多い。
おまけにオンラインCo-opがあるので敷居がとても低いのも特徴だろう。
自分は1年で600時間以上遊べたので、面白いボス戦がやりたい・ハクスラゲーが好きという人には素晴らしい一本になると思う。
1年かけてDLC展開をしていき、これだけの時間を魅了されたゲームは間違いなくGOTYに相応しいだろう。
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