Crypt of the NecroDancer筆頭にした殆どのゲームで、リズムを外す=ミスという仕様だったが、
Hi-Fi Rushはリズムを外す=ミスではなく、リズムに合わせる=強い!と設定した所が本当に偉い。
マイナスではなくプラスにするというのはゲーム全体の印象が大きく変わり、様々な人がプレイ出来るように配慮されているのが嬉しい。
最初はリズムに乗りながら戦闘するのは脳のキャパシティーを蝕み大変苦しい中、ミスしても良いというのは本当に助かる。
慣れてくると色々な動きも試していけ、アクションも楽しくリズムにも乗れて楽しいという相乗効果を生む。
遊んでいくと敵の攻撃も全てBPMで管理されている事に気づく。
全ての攻撃がBPMと同期されている事で理不尽な攻撃がなく、全て対処可能になるという点もよくできている。
シナリオ面でもイケすかない主人公のチャイが仲間と出会い成長していく過程もしっかり描かれており、
絵面からはあまり想像できないが、しっかりとしたサイバーパンクな内容で楽しく物語が展開していく。
カットシーンも豪華で、自分が気づいた限りではカットシーンは全てBPMと同期して動いているのも凄い。
ミッションブリーフィングでは仲間のキャラが手書きで作戦を立てて説明してくれたり、
突然手書きのフルアニメーションが始まったりと、グラフィックの部分でも非常に豪華な作りになっている事がわかる。
あと突然のゼノギアスパロディには驚いた、令和になってゼノギアスネタが見られるなんて笑いを通り越して感動してしまう。
アクションは小気味よく触っていて楽しく、リズムに乗ってロボットのパーツをバラバラにしてボルトを散らばせるのは本当に楽しい。
敵はロボットでコミカルな世界観なので血が吹き出たりすることもないので誰でも遊ぶ事が出来る。
短いながらもまとまったテーマと主人公の成長物語にフォーカスしたシナリオ。
非常に豪華なカットシーンと全てが高水準の作品。
そんな作品がいきなり配信されたら話題にもなると思わせられる一本、間違いなく名作です。
ノベル部門:ヘンタイプリズン
大前提として、自分は基本的にR-18のゲームは興味なく、
よっぽどの作品でない限り手を出さないという事を記しておく。
はとのす式製作所というR-18同人ゲームを制作していたサークルが、
商業用R-18ゲームブランドに転生したQruppoから発売されたR-18ノベルゲーム。
本作はあのネットで有名な抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?(以下ぬきたし)とその続編の2の世界の10年後くらいのお話なのだが、
本作ヘンタイプリズンから遊んでも問題はない。
遊んでいた方がテンションぶち上がるのはそうなので併せて遊んでほしい。
重性犯罪者が入れられる治外法権の監獄に、露出の罪で捕まった子供が監獄の中でいじめにあったり死にかけたりカードゲーム流行らせたり違法賭博流行らせたりする話。
主人公は自分自身の自我が未発達で、世界と自分の距離がわからず、自己表現の形すらもわからず、
唯一歪んだ表現方法、露出する事で自分を表現する事で自我を保っていた。
しかし、案の定というか監獄にぶちこまれ、唯一の自己表現である露出を奪われ封じられる。
その監獄では性犯罪の重さによって囚人の序列が決まり、Tierが決められる事になる。
主人公の露出はもっともTierの低いもので、早速酷い目に合ってしまう。
その酷い境遇の中で主人公は仲間を見つけ、囚人の更生レクリエイションの一貫でゲーム開発をする事となる。
仲間と一緒にゲーム作りをし、露出に変わる自己表現に目覚めるのだが、そのゲームはR-18のものなので、
性犯罪がご法度の監獄では…
というのが体験版の範疇のあらすじ。
はとのす式製作所時代は、恋愛学園物における親友ポジションとはなんだろうかとメスを入れ、
前作のぬきたしではジェンダー問題やマイノリティに光を当て、現代社会にメスを入れる鋭いシナリオが光っていたが、
本作ははとのす式製作所時代のような、個人の思想にフォーカスした作品になっている。
大昔では武将などが自分の生きた証を残す為に天下統一などの戦いで勝利をし、
歴史的な偉業を成し遂げるのを目的としていた。
現代日本においては戦いはなく、生きた証を残すというのは子孫を残すくらいしかないだろう。
それ以外で生きた証を残すとなると…創作だろうか。
本作の主人公も露出で自己表現をし、生きた証を残そうとするがそれを奪われ、
ゲーム作りをする事で生きた証を残そうとする。
本作は面白い瞬間も多々あるが、本作の優れている所はその現代人が生きた証を残す為に創作する。
創作への燻りと憧れというテーマが秀逸。
昔、創作で凄いものを作りたい、ツクールなどで凄いゲームを作りたい!と思っていたあの日がある諸兄諸姉には是非遊んでほしい一本。
よくノベルゲームは紙芝居と比喩されるが、グラフィック面が充実しており、
立ち絵がアニメーションしまくるので半分アニメの感覚で見られるので、見ていてリッチで楽しい。
ここまで貼ったSSはアホな物しか貼っていないが、シリアスとアホの緩急はしっかりついており好印象。
芯の通った創作への燻りと自己表現のテーマに、リッチな見た目、楽しい会話。
既存の作品とは違う視点からメスを入れる、渋さを持った一作。
処刑曲を流しながらおしっこを流して敵幹部を撃破するシーンは是非必見である。
2023年GOTYも残り3本となる。
ここからはホラーゲーム3連続の登場のホラーゲームゾーンへと突入します。
リソース管理部門: MY FRIENDLY NEIGHBORHOOD
ホラーゲームゾーン第1弾。
インターネットでセサミストリートのホラーゲームと言われた本作。
実際セサミストリートのキャラクターに、バイオハザード4のインベントリシステムにFPSを組み合わせたようなゲームプレイ。
本作の最も優れている点は、リソース管理が重要なホラーゲームにありがちな血や欠損、死体などのゴア表現やスプラッターが切り離せないのだが、
本作の敵はパペットなのでそれらが一切なく、グロいのが苦手な人でもリソース管理を楽しめるのが嬉しい。
また本作はジャンプスケアが殆どないのも嬉しい。
敵はパペットなので、命ある者ではなく殺す事が出来ない。
敵を倒してもしばらくすると復活してしまう。
倒した敵に対してダクトテープを使用する事で、パペットをぐるぐる巻きにし復活を阻止出来る。
一度しか行かないような場所はパペットを倒して抜ける、もしくはスルーして弾薬を温存。
よく通る場所のパペットは倒した上で、ダクトテープで復活を封じて安定プレイ。
しかしダクトテープにも限りはあるので、どのパペットに対してダクトテープを使うか考えるのが楽しい。
この手のゲームにありがちな、物語は考察()に任せるというぶん投げもせず、
ゲーム内でしっかり説明と展開をし、納得の出来るエンディングを迎える所も好印象。
本家のバイオハザードのようにリソース管理を味わいつつ、グロ・スプラッターはオミットされた初心者向けのホラーゲームの調整が嬉しい一作。
低価格帯でボリュームもそこそこあり、体験版もあるので是非遊んでみてほしい。
ベストリメイク部門:Dead Space Remake
ホラーゲームゾーン第2弾。
オリジナル版は日本で発売禁止され、リメイク版でも日本発売禁止されたあの伝説的なホラーゲームのリメイク。
石村と呼ばれる宇宙船に閉じ込められ、脱出を目指すサバイバルホラーシューター。
リメイクというと余計な要素を付け足したりして、原作ファンや新規にも煙たがられることも多いが、
今回のリメイクでは、2以降の要素を逆輸入し、不評だった部分を改善した無難なりメイクではあるが、
その圧倒的なクオリティから大満足させた一本。
まず最初に語りたいのはグラフィック。
敵を攻撃するとまず皮が剥がれて、肉が削げ、最後に骨が見えるというダメージ表現も素晴らしいが、
それよりも凄いのは光と影の表現。
リメイクは本当にそこの表現が秀逸。
暗闇に居たくない、闇の圧倒的な存在感。
こんな所に長時間いて敵に追っかけられればそりゃあPTSDは発症するよという空間表現が凄く良い。
オリジナル版も光と影に力を入れていたが、リメイクでも同じく力を入れており、
作り込まれた環境音と光と影の描写によって、ゲーム全体の空気感が引き締まっているのが嬉しい。
本作はバイオハザード4のオマージュゲームではあるが、バイオ4程リソース管理は厳しくない。
敵を倒すと弾や回復アイテムはドロップするし、何ならショップで弾や回復アイテムを購入する事も出来るので詰む事はないガバガバ具合。
なのだが、本作の秀逸な所は弾薬を買わずに手に入れた物でやりくりし、余ったアイテムは売ってお金にする。
お金を節約する事で、武器やスーツのアップグレード用のポイントをショップで買う事が出来る。
つまり弾と回復アイテムを温存する事で更に強くなれる点だろう。
バイオハザードではクリアする為にリソース管理をする必要があるが、
Dead Spaceではクリアするだけなら誰でも出来るが、楽にクリア為にリソース管理をする必要がある。
同じリソース管理でもリソース管理の意味合いが変わっている所が面白い。
上記の点もあり、本作を遊ぶ上で面白い遊び方は、
ショップで資源を買わずに拾ったもので全てやりくりし、
余った資源は売ってアップグレードのスキルポイントを買うのが最高に資源管理して面白いのでおすすめだ。
オリジナルだと武器バランスが悪かったが、本作ではバランスが改善されており、どの武器もだいたい強く好きな武器が使えて楽しい。
シナリオ面でも2と3の設定を踏まえて整理されており、根幹の設定もわかりやすい。
とにかくゲーム面でのバランスが良く、リソース管理も楽しい。
マイナス要素が殆どなくプラスの面が大きく目立つ良リメイクで非常に優秀。
細かい部分で言うと、ゲーム内でHUDを極限まで排除していることによりとてつもなく没入感が高い。
インベントリやチュートリアル、マップ画面…全てが主人公が見ているインターフェース映像というのが凄く良い。
オリジナル版の発売時はHUDってダサいよねという風潮があり、HUDを極力排除して没入感を高める流れがあったが、
現在のゲームはそれに逆行して、ゲームの情報をどんどん増やして、モンハンですらダメージ数値が出るようになった。
それがだめとも一切思わないが、Dead SpaceのHUDを排除したデザインは今見てもクールでかっこいいと思う。
こういうゲームがまた見てみたい。
そう、Dead Space 2 Remakeで再会したい。
Game of the Year:BIOHAZARD RE4
ホラーゲームゾーン第3弾。
オマージュ作品であるDead Spaceのリメイクが発売された同じ年に発売されるという奇跡。
ホラーゲームの金字塔にして最高傑作となったRE4。
本作は原作がバイオハザード4であり、それのリメイクとされているが、
その認識だと原作より弱くなったプレイヤー性能や仕様変更によってストレスが貯まる作りとなっている。
ナイフは耐久性があり頼れない、動きは少しもっさりで敵の攻撃は避けにくい。
おまけに数々の無敵時間減少や体術のダメージNerf…
敵は硬いし全然怯まないし、体術を入れても全く死なない…など挙げればキリがない。
バイオハザード4のリメイクとしてその調整はどうなの?と思ってしまう。
しかし、バイオハザード4のリメイクではなく、バイオハザードRE2の続編と考えるととても腑に落ちる作りとなっている。
RE2に引き続きナイフは耐久度があるが、高威力。
更にナイフは修理可能かつ、ナイフでのガードorパリィ、そこからメレーで反撃が可能。
ゲーム内ほぼ全ての攻撃を完封可能。
RE2のライフ、弾薬加えて、ナイフの耐久値も管理することにより更にリソース管理が熱くなる。
ゾンビに引き続き敵が硬いが、パリィやしゃがみ回避、高火力武器など、こちらも相応に対処手段も豊富。
できるだけリソース消費を抑えるRE2と違い、
リソース消費は抑えるがリソースを使いたい局面も多いし、
最高難易度でもリソースを吐いて殲滅プレイも出来るバランスは優秀。
RE2の続編として見るならば本当に出来の良いゲーム。
ストーリー面でも原作ではなんか知らん間にぬるっと死んだルイスも、RE4では深堀りされ印象に残る良いキャラクターに。
RE4でルイスが初めて好きになった。
なんか知らんおっさんだったクラウザーも設定変更され印象に残るキャラクターに。
ナイフパリィを使ったタイマンや、最終戦でのナイフでクラウザーの大技も弾けるのも楽しいし、フレーバーとしてもうまく作用している。
DLCであるエイダ編も1000円で4時間程のボリュームがあり、
原作にはあるが、RE4でオミットされた物が復活したり、
RE4のエイダ編オリジナルの存在なども出てきて楽しい。
原作のバイオハザード4を遊んでいると驚くものもあるし、初見でも楽しい。
RE4はバイオハザードのガワで行うエンタメのジェットコースターのような作品。
原作の良い所とRE2の面白かった所の融合の芸術点が非常に高評価。
ストーリー面ではなく、ゲーム性という点でRE2を遊んだ、という大前提はあるが、
間違いなく高品質な作品、これがGOTYでなければどれがGOTYなんだという一本。
RE5も楽しみになる出来だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿